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所在地 小金井市前原町4-11-33 地図 TEL 非公開 営業時間 10 00~翌2 00 定休日 火曜 駐車場 なし 備考 コメント 注意:このページにはURLを含むコメントを書き込めません
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ラーメン [解説] カナド人たちのソウルフードの一つ。 かつて極東の島国の人々がこよなく愛した麺類の食べ物。 うどんや蕎麦(うどんや蕎麦もカナド料理)との最大の違いは麺にある。 ラーメンの麺には「かん水」と呼ばれる、塩化ナトリウムなどの塩分を含んだ水が使われる。 一般的に製麺に使われるかん水は塩湖などから取れるアルカリ塩水であり、塩分濃度の高い湖であれば何処でも採取する事が可能。 このかん水を使う事で独特の風味や食感・色合いが生まれ、ラーメンの麺となる。 ラーメンの味は多岐に渡る。 醤油、味噌、などのカナド人由来の調味料を使ったものから、塩、豚骨、鶏白湯などの比較的三大国でも調理しやすいものまで存在する。 これらは食される地方や街によって流行り廃りが存在するので、一言でどれが一番メジャーな味とは断定できない。 ラーメンは元々WARESに所属していた日本人が食べていた食べ物である。 彼らと交友を持っていたHeiz(現代のカナド人)達は日本人にこの食べ物の作り方を教わった。 旧大戦時には新人類解放軍に加わった日本人たちによって、この料理が新人類たちに振る舞われたりもした。 旧大戦終結後、旧人類は絶滅し、Heiz達も極北の大地へと去った。 ラーメンという食べ物はこの時に新人類の文化圏から失われた。 建国期が過ぎ、第一次聖帝戦争が終結した頃、聖華暦220年代にラーメンは再び新人類の元に戻って来た。 ライライと名乗る風変りなカナド猟兵は行く先々で不思議な麺類の食べ物を人々に振る舞ったと言われている。 このライライが作った食べ物こそがラーメンであり、ライライはこれの製法を伝える旅をしながら猟兵として活動していた。 ラーメンの美味しさは瞬く間に新人類たちの間に知れ渡り、彼らの食文化へと根付いて行った。 とはいえ、製法を教えられても簡単にその味を再現できるほどの浅い料理ではない為、本当に美味しいラーメンを作れた新人類は一握りしかいなかったと思われる。 800年現代に至っては大陸で一番親しまれてるカナド料理として人々の認知する所となっている。 主にそれを調理するのはカナド料理を専門とするお店や三大国に帰化したカナド人の料理人である事が多い。
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人の振り見て… 「う~。さむいさむい、北風が身に凍みる」 季節は師走も後半。そろそろ各家庭では大掃除とおせちの準備に追われる頃。 俺は吹き付ける北風の冷たさに身を震わせながら家路を急いでいた。 その片手には大晦日の日の為に買った年越し蕎麦の入ったビニール袋。 全く、大晦日直前になって肝心の年越し蕎麦を買っていないのを思い出すなんて、義母さんはトンだうっかり者だ。 そのお陰でこの今にも雪がちらつきそうな寒空の下、息子の俺が買いに行かされるとはトンだとばっちりだ。 それにしても今日は一段と風が冷たい、朝のテレビニュースで寒波が来るとか言ってたな? その所為か、道行く人々は皆寒そうだ。 毛皮のあるケモノでさえ寒がるこの寒さ、毛皮のない人間にとっては結構堪える。 「……ん? あれは……?」 雪でも振りやしないかと何気に空を見上げた時、俺は空を舞う何かに気付いた。 大きく広げた翼膜のある翼の形状、そして風にたなびく頭のポニーテール……あれは朱美か? そう思った俺は、取りあえず空を行く影に向けて手を振ってみる。 すると、どうやらあちらの方も俺に気付いたらしく、 俺の上空で大きく旋回した後、翼を翻してゆっくりと降下してきた。 「やっぱり卓君だ。良かった」 落ち葉を舞い上げながら目の前に前に降り立ったのは俺の思った通り、私服姿の朱美。 その頭には旧日本軍の飛行帽を連想させる外見のゴーグルの付いた、寒さ避けの皮製の帽子を被っていた。 この彼女の帽子と旧日本軍の飛行帽との違いを挙げるとすれば、先ず目に付くのが頭の両側が尖っている事だろう。 これは彼女の獣耳を入れる為のスペースで、その証拠に側面には音を聞き入れる為の小さな穴が無数に開いている。 他にも細かな違いがあるのだが、それを一々挙げていたら話が長くなるので、ここは端折っておく。 尚、この帽子は彼女の手作りの作である。あの翼の両手でよくもまあこんな物を作れるものだ。 にしても、朱美の言った「良かった」とはどう言う意味だろうか……? 「ねえ、卓君、いきなりで悪いけどちょっとあたしを助けてくれない?」 「は? 助けてってのはどう言う……」 「ようやく追いついたぞ! 飛澤」 いきなり助けを求められた俺が、何事かと朱美へ聞き返そうとする間も無く、 彼女を追ってきたであろうジャージ姿の鷲のケモノが、大きな翼を羽ばたかせながら俺と彼女の近くへ降り立った。 ……ややハスキーな声と胸の豊かな二つの膨らみから、辛うじてこの鷲の人が女性であるのが分かった。 これだから鳥系のケモノは男女の区別が見分けづらい。 「さあ、飛澤、いい加減覚悟してくれないか?」 「……??」 鷲の人が朱美に向けて言った意味が掴めず、俺は思わず朱美の方を見やる。 だが、そんな俺の視線を余所にして、朱美は何処か苛立ちを感じさせる様に翼手を腰に当てながら言う。 「言っておくけど、宮元先輩。 あたしはもう既に立派なクラブを立ち上げて、その部長をやってるのよ? だから、幾ら先輩に言われようとも、あたしはあなたのクラブに入部は出来ないの!」 「だが、だからと言って君はこのまま埋もれさせておくには勿体無さ過ぎる逸材だ! そう、君の能力は世界すら取れると私は確信している。 だから頼む、どうか我が部に入部してくれ!」 「い・や・よ! あたしは世界とか何とかには興味ないの!」 「えーと……あの? もしもし?」 急に始まった話に付いて来れなくなった俺が二人に声を掛けるのだが、 二人はそんな俺に構う事無く、更に言い合いをヒートアップさせる。 「興味がなくとも、少しだけの間でも良いから入部して欲しいのだ! ひょっとすれば我が部の活動を見ているうちに興味が湧いて来るかもしれないからな!」 「ちょっと、お二人とも? 少し話が見えないんだけど? 聞いてますか?」 「だから嫌と言ってるでしょ? あたしは興味の無い事は断固としてやりたくない主義なの! これはこの前も言った筈よ。先輩は憶えていない訳?」 「だからその興味が湧くように少しの間でも良いからと言っているではないか!」 「もしもーし?」 「少しでも嫌と言ったら嫌なの! それを分かって頂戴!」 「分かって頂戴、と言うのはこっちの台詞だ。 何故そこまで意固地になって嫌がる!」 「只でさえ腕に無駄な筋肉がついて辟易してるのに、 これで下手に運動会系のクラブに入ったら余計にマッソーになりそうだからよ!」 …………。 「必殺、閃光玉フラーッシュッ!!」 ポム パシュ―――――ッ! いい加減無視され続けるのに腹が立ってきたので、有無を言わず閃光玉を使ってやった。 『うおっ、まぶし!』 その閃光をどうやら二人ともまともに直視したらしく、 悲鳴に近い声を上げて両手、いや、両翼で目を塞いで身体を仰け反らせる。 これが某ゲームの画面なら、二人の頭の上にはくるくると旋回する星のエフェクトが浮かんでいる事だろう。 「ちょ、ちょっと、卓君……いきなり閃光玉はやめて」 「俺を無視して話を進めるのが悪い……と、その話していた事だが、あの鷲の人と何の事で言い合ってたんだ?」 まだ閃光の影響が抜けきっていないのか、 目をしばたかせながら抗議する朱美に俺は毅然と返した後、事情を聞き出す。 朱美は「無視したのはゴメン」と返した後、視覚が戻るのを待って話し始める。 「あの人は宮元 巴(みやもと ともえ)と言って、1年上の先輩なんだけどね、 大空部って言う、まあ、陸上部の空版みたいな運動会系のクラブの部長さんなのよ。 んで、あたしはその宮元先輩にしつこく勧誘を受けている訳」 朱美に「へぇ」と相槌を打ちながら、俺は何気に宮元さんの方を見やる。 当の宮元さんはと言うと、『うぉぉぉ、目が見えない!』と一人で喚きながらその場で翼をばたつかせていた。 うーむ、流石に感覚の殆どを視覚に頼っている猛禽系の人に閃光玉はちょっと拙かったかな? 「それで、何であたしがしつこく勧誘されているかって言うと、 どうもこの前、あたしが卓君をぶら下げて飛んでいるのを彼女が見ちゃった訳なのよ。 それで『君ならウェイトアップ(重量挙げ)で世界が取れる』とか言い出しちゃってね…… それに、有力候補だった伊織さんが陸上部にとられちゃってる物だから尚更な訳」 「あ~、なるほどな……」 言いながら、俺は数ヶ月前に朱美に付き合わされたデート?の事を思い返す。 確かに、あれを見れば朱美を勧誘したくなる気持ちも分からないでもない。 人をぶら下げて飛ぶ朱美の姿を見れば大概の人が驚く位だし。 と、ここでもう一つ疑問が浮かんできた訳だが…… 「所で朱美。既にクラブを立ち上げてるって如何言う事だ? 「ああ、それはね……」 「フハハ、ようやく目が見える様になったぞ! しかし何だったんだ、さっきのあの強烈な光は? まあ、それはさて置き、話の続きだ! 飛澤、我が部に入部してくれ!」 疑問を投げかける俺に朱美が答えようとした矢先、ようやく視覚が回復した宮元さんが朱美に対する勧誘を再開する。 と言うか、閃光玉を投げられた事気付いてなかったのか、この人。 無論のこと、話の最中に横槍を入れられた朱美はすっごく鬱陶しそうな眼差しを宮元さんに向け、 「だから先輩、さっきも言ったでしょ? 幾ら言われようともあたしは他のクラブの部長をやってるから無理だって」 「だが、君の言う鉄なんとかと言うクラブには部員が殆ど居ないではないか?} と言う事は活動も殆どしないと言う事だから、私の大空部に入っても問題は無い事になるぞ」} 「如何言う理屈よ、それは! と言うか、鉄なんとかじゃなくて鉄道研究部よ、憶えてて! それに、部員だってちゃんと学校の規定通りの人数が居るんだから。 ねえ、卓君?」 「……へ? 俺?」 いきなり話を振られ、思わず間の抜けた声を漏らす俺。 しかし、朱美はそんな俺の様子に構う事無く、翼手の先で俺を指しながら宮元さんへ言う。 「紹介するわ、彼は鉄道研究部の副部長兼書記の御堂 卓よ!」 「なに!? ううむ、既に部員まで獲得しているとは……やるな!」 「ちょっと待て、何時俺が鉄道研究部とやらの副部長になった?」 朱美の言い放ったかなり聞き捨てならないセリフに、俺は堪らず抗議の声を上げる。 それに対し、朱美はごく当然とばかりに言う。 「何時入ったって? 一週間ほど前に入部届を提出済みよ」 「更に待て、入部届は本人の署名と印鑑が無ければ無効だった筈だぞ!?」 「卓君のお母さんに頼んだら二つ返事で印鑑を貸してくれたわ。 にしても、かなりの美人ね、卓君のお母さん。 で、書名のほうに関してだけど、卓君の書き方を真似るのにちょっと苦労したわ」 「かなり待て! それって私文書偽造だろ!?」 「違うわよ、これは代理として提出してあげたって言うのよ。 それに、利里君は卓君と違って鉄道研究部に自ら進んで入部してくれたわ」 「なんだと? 利里の奴が進んで入部したって? 如何して?」 たしか、利里の奴は鉄道とかに関しては全然、いや、米粒の欠片ほども興味が無かった筈だが……? そんな利里が喜んで入部するなんて、一体如何言う事情があったんだ? 「『ゲームも研究する』とか言ったら利里君は喜んで入部届を用意してくれたわ。 まあ、後に『ゲームを研究、と言っても鉄道系のゲームなんだけどね』と付け加えてたんだけど、 どうやらその時の利里君は舞い上がってて聞こえてなかったみたい」 ……利里、お前って奴は……単純過ぎにも程があるだろ……? と、俺が親友の単純さに物悲しさを感じた所で、 何やら一人考えこんでいた宮元さんが朱美の方へ向き直り、 「仕方が無い、部員の卓とやらに免じて今回の所は諦めてやろう。 だが、私は信じているぞ! 飛澤の心の中に大空への情熱が眠っている事を!」 「んなの信じなくて良いわよ!」 「それでは、飛澤、入部したくなったら何時でも私に言ってくれ! では、さらばだ!」 朱美の抗議の声をさらりと無視して捨て台詞を残し、宮元さんは翼を羽ばたかせて飛び去っていった。 その後に残されたのはなんだか息を荒くした朱美と、色々ありすぎて呆然としつつ空を見上げる俺。 そして、俺は空を見上げながら、ポツリと朱美に言う。 「なあ、朱美……人を見て我が身を振りかえるって言葉、知ってるか?」 「……? 知ってるけど、それが如何したの?」 「それは……いや、何でも無い。気にしないでくれ」 「ちょっと、気にしないでくれとか言われたら余計に気になるじゃないの、一体如何言う意味なのよ」 そして、意味を問いただそうとする朱美にがくがくと肩を揺さぶられつつ、俺は思った。 多分、自覚していないんだろうなぁ、朱美もあの宮元さんと同じような事をしている、と。 それを考えると、なんだか吹き付ける北風が余計に寒く感じるのであった。 追記 俺に言われて真実を知るまでの間、利里は最期まで騙されている事に気付く事は無かった。 その親友を見て、俺は余計に悲しくなった。 関連:卓&利里 朱美 宮元 巴
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隊員達の描くステキなりっちゃん絵は、 以下お絵かき掲示板にて受け付けております。 お絵かき掲示板なので、掲示板に直接お絵かきする事も、 描いた画像や写真をアップロードすることも出来ます。 りっちゃんお絵かき・画像掲示板
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麺や神笑の支店 所在地 東京都八王子市東町1-2地図 営業時間 11 00~25 00 定休日 なし 店外の自販機による食券制 駐車場 コインパーキングあり コメント 名前 コメント
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それから別荘の中に潜んでるかもしれない真犯人を探すことになり、グループごとに別荘を調べることになりました。 最初は律先輩と私、唯先輩とムギ先輩と澪先輩の二組です。 とりあえず私たち二人は今いる別荘本館の一階を一周したところでどうでもよくなって、リビングに戻りました。 梓「ところで律先輩、髪ぬれてませんか?」 律「ん? ああ、さっきちょっと外出てみたんだよ」 梓「まさか、あんな雨の中をですか?」 律「いやー、雨にわざと打たれてみたくなるときとかってあるじゃん? 気持ちよさそうだし」 梓「まったく理解できません」 律「ええー? 梓、お前そういう子供の心も大事なんだぞ!」 いや、律先輩は子供っぽすぎます。 そう言おうとした一秒手前で、私はなぜか言葉を飲み込んでしまいました。 梓「子供っぽすぎるんですよ」 勝手に律先輩に言い負かされたみたいに思えて、ちょっと悔しいので無理やり口にしてみます。 ……やっぱり違和感。 だって、律先輩は子供っぽいっていうよりむしろ―― 律「え、梓がか? 自覚あったんだな!」 梓「なんですかその言い方! 私はじゅーぶん大人です!」 律「ほほーう。カラダはずいぶんとお子ちゃまですわよ~?」 梓「り、りつせんぱいに言われたくないです! ていうかいまそういう話してないです!」 何の話だったか分からなくなってきました。 っていうか、ムギ先輩と話した辺りから自分を見失いつつあります……。 律「でも私も子供だよ」 ふいに律先輩がひとり言のようにつぶやきました。 律先輩からめずらしく素直にそう言われてしまうと、こっちもどう返していいか分からなくなります。 律「ああ、そんな気にしなくていいよ。深い意味とかないし」 梓「ほんとですかー?」 律「ばか、そういう時は『リツセンパイが深いこと考えるはずないですもんねー』とか返せよ」 そう言って律先輩はちょっと笑うのでした。 なんだろう。心配とも不安ともいえないけど、いつもの律先輩とは違う気がしました。 律「にしても梓もあと一週間足らずで部長かー」 変に重くなり出した空気をわざと壊すように、律先輩は話題を変えます。 傍目からはのんきに窓を眺めているようですが、言葉を必死で探して選んでいるようにも見えました。 律「元・部長から言わせてもらうことがあるとすれば、あれかな」 梓「元、とか強調しないでくださいよ」 律「梓もやっぱさ、もうちょい素直になった方がいいって」 梓「律先輩には、いわれたくないです」 なんとなくそう言い返してしまって、いけないことを言ってしまった気がして口をつぐみます。 ばつが悪くて合わせづらい目をなるべく合わせるようにして律先輩を見ると、いたずらがばれてしまった子供みたいにうつむきがちに笑っていました。 律「うーん、私は梓ほどツンデレじゃねーぞ?」 梓「ツンデレってどういう意味ですか。私ほど素直な子はいません」 律「なーんかさ、後輩が梓でよかったと思ってるよ」 思い出したように律先輩は言います。 梓「私なんかで、よかったんですか? 扱いづらいし、めんどくさいのに」 律「あはは、自覚はあったんだな」 梓「分かってますよ……融通利かないし、ダメダメです」 律「私もさー、ほら。逃げぐせあるじゃん?」 広間がやけに静かに感じました。 でも、どうしてか心地よい気もします。 梓「なんか私たち、自白したみたいな気分ですね」 律「バナナタルトの犯人だけにか? うまいな、梓」 ――あー、もっと早くこうしときゃよかったなあ。 律先輩は日向で温まる犬のように伸びをします。 その姿は、何か重い荷物をおろしたように見えました。 なんだか私たち、案外似てますね。 私がためしにそう言ってみると律先輩も小さく笑って、かもなー、と一言もらしたのです。 律「梓、お前なら大丈夫だよ」 どうしてですか? 律「梓って、私よりは素直じゃん? すっげえ分かりやすいし」 梓「それ、絶対ほめてないですよね……」 律「褒めてるっつーの。なんつーか、扱いやすいし」 だから褒めてないじゃないですか。 扱いやすいって、後輩になめられるって意味ですよね? 律「違う違う。なんていうかさ、反応が分かりやすいから……その、安心できんだよ。私とか特に」 梓「……そういうものですか」 律「だからまあ、後輩も付いてきてくれるんじゃん?」 梓「律先輩のほうが後輩ウケよさそうですけど」 律「……え、なにそれ。遠まわしな告白?」 梓「そんなわけありますか。ていうか律先輩は澪先輩辺りとよろしくやっててください」 一瞬にして顔を赤らめ黙りこくる律先輩。 やった、勝った。 ってこんなこと考えてるから私も子供なんだろうな。 律「あ、梓だって唯センパイにベタ惚れじゃねーかよ!」 梓「なっ…そんなことないもん!」 唯「あずにゃんはろー」 澪「おい律、戻ったぞー。って」 そこには先輩につねられたほっぺをさする私と、私にはたかれたほっぺをなでる律先輩。 うぅ…地味に響く痛みだ……。 澪「お前ら、何歳児だ…」 律「梓が先に手ぇ出したんだからな!」 梓「律先輩が言いがかりつけてきたんじゃないですか!」 そんな感じで結局律先輩のペースに乗せられてしまいました。 でも、まあこれでもいい気もしたのです。 今日だけは、なんとなく。 梓「えっと、ムギ先輩は?」 澪「ああ。プロジェクターのセッティングとかいろいろ忙しいらしくて、先行っててって」 プロジェクター? 何に使うんだろう。 もしかして私たちのPVの試写会用に……って、まだ撮ってもいないじゃん。 首をかしげている私を唯先輩がいつからかにやにやと見つめていました。 梓「なんですかその目は」 唯「えへー、あずにゃんには秘密だよーん」 梓「っていうかもう雨上がったし、練習とか撮影とか始めましょうよ」 唯「だっダメだよ!? まだ、その…ダメなんだもん!」 澪「そ、そうだぞ梓! 天気だって、病み上がりだし!」 言ってる意味が分かりません。 なんかもう、私たちって何部でしたっけ……。 それからも唯先輩たちはなぜかかたくなに練習や撮影を拒んだので、しょうがないからまた散策に出かけました。 聞くところによるとムギ先輩は未だに犯人探しをがんばっているそうです。 ノリを合わせるのが義務化してきてる気がぶっちゃけつらいです。 澪「まあそう言うなって。ムギもムギなりに楽しんで欲しいんだよ」 私はカメラを持って降り止んだ曇り空の下を澪先輩と歩いています。 裏手の小道は空気もふんわりした湿り気に満たされていて、なんだか眠りから覚めたばかりのように心地よく感じます。 梓「あの人は真っ先に自分が楽しみたいから動いてる感じがします…」 澪「それだってさ。ムギが楽しい時ってみんな楽しいだろ?」 梓「あ、はい。なんとなく分かります」 澪「律はいつも楽しませようとしてくれてるけどさ、ムギは自分から楽しんでるんだよ」 時々、ああいう行動力は見習いたくなるよ。 澪先輩はちょうど私が考えてたようなことを言っていました。 唯先輩、律先輩、ムギ先輩。 今考えると三人とも違った形で私を引っ張ってくれてたみたいです。 梓「でも澪先輩は落ち着きますよ」 澪「そうかなあ…私は自分から動くってタイプじゃないし、結構ブレーキかけてる気がするけど」 梓「ブレーキがなかったら私たち、大変なことになってますよ」 濡れた縁石の上で、二人だけの含み笑い。 澪先輩と共犯関係みたいで、ちょっと愉快な気分です。 それから私たちはしばらくの間、別荘の周りの道路や草むらを歩いては写真を撮って回りました。 澪先輩はずいぶん前から写真が趣味だったらしく、小さな花や足元から見上げた曇り空を子供のように撮って回っていました。 澪「あー梓、ちょっとそこに立って」 梓「え、こうですか?」 澪「そうそう。そこの電灯から伸びた影がいい感じだったから」 私の影なんか撮ってどうするんだろう。 でも澪先輩が撮る写真はどれも綺麗だったから、たぶん今回のもいい画に仕上がるはずです。 やっぱり詞を書く人のフィルターで見るとありふれた世界もちょっと違って見えてくるのでしょうか。 そう思うとなんとなく楽しくなってきて、気づけば私も辺りの草木にシャッターを切っては回っていたのでした。 梓「ところで澪先輩、大学入ったらサークルとかどうするんですか?」 私は錆び付いた交通標識をしゃがみこんで下から写す澪先輩を邪魔しないようにそっと話しかけます。 それとなく切り出した話題ですが、本当はちょっと前から気になっていたことでした。 たぶん大学入っても、軽音サークルに入るんだよね。 あっでも前にネットで調べたらN女だけで5つぐらい軽音サークルあったし、どれに入るんだろう……。 澪「私? 文芸サークルに入ってみようと思ってるよ」 雲行きが変わり、射しかけていた日差しがまた遮られました。 冷えた空気の中で木々の葉が静かに擦れあう音だけがやけに強く響いています。 澪先輩が軽音部をやめる。 澪先輩が、歌とベースで私たちを支えてくれた澪先輩が、音楽を―― 突然のことで頭が一杯になって、うまく整理できなくなってしまいます。 澪「あ、あずさ?」 梓「……すいません、大丈夫です」 うそ。全然大丈夫じゃないじゃん。 自分の声が震えるのを自覚して、けれどどうしようもないまま私は立ちすくんでいました。 澪「ごめん、なんか誤解させちゃったかな。別にバンドやめるつもりはないよ?」 梓「へ?」 変な声を出してしまいました。 気が動転していたせいで、ちょっと調子が取り戻せずにいます。 梓「じゃあ、なんで軽音部やめちゃうんですか!」 澪「うーん……私、放課後ティータイムが大好きなんだ。だからかな」 ガードレールの水滴をハンカチで少し拭ってから澪先輩はそこに腰掛けました。 それから私の目をいたわるように見て、優しい笑みと共に話し始めます。 澪「私もともと高校で文芸部入るつもりだったんだよ。詩とかその頃から書いてたし」 梓「今みたいな詞を、ですか?」 澪「え、梓はあれ気に入ってなかったのか? レトリックがか? それとも構成が?」 梓「いっいえ! メロディーに乗るとすっごい素敵な歌詞だと思います!」 字面だけを読むと冷たい手で首筋なでられたようなむずがゆさがありますけど……。 澪「とっとにかくだな、だから大学ではリベンジしたいって考えてたんだ」 梓「リベンジですか。律先輩に邪魔されたんでしたっけ?」 澪「そうだよあのとき律が勝手に! まあ、今じゃよかったと思ってるけどさ」 そう言って、携帯電話をなんとなく取り出して眺めた澪先輩。 あ、キーホルダー同じのつけてるんだ。 仲良いなあ。 梓「でもそれだけじゃ、放課後ティータイムと結びつかないじゃないですか」 澪「ああ、それはだな……より良い歌詞が書けるようになりたいっていうのもあるけどさ」 いつの間にかまた雲の隙間から光が差してきました。 澪先輩は長い髪を風にたなびかせ、対向車線のガードレールの向こう、海岸線の方を見やって言います。 澪「私、バンドは放課後ティータイムだけにしたいんだ」 梓「それって、外バン組まないってことですか?」 澪「そう。サークルだとやっぱり、いろんな人と合わせたりするだろうから」 梓「でもいい経験になると思いますよ」 澪「それは思う。だからたまに律と一緒にラブクライシスのメンバーとセッションしてたんだ、実は」 うわ、澪先輩ずるい! って。 私はいま何に対してずるいって思ったんだろう? 他のバンドメンバーとこっそりセッションしてたこと? それとも…… 澪「大丈夫だよ。私たちは離れ離れになったりしないよ」 私の心を知ってか知らずか、澪先輩はこんな言葉を掛けてくれます。 それから澪先輩はここ二週間会わない間に唯先輩たちと話し合ったことを教えてくれました。 サークル活動ではHTTではなく個々にサークル内バンドのサポートを行う可能性が高いという情報。 それよりはメンバーそれぞれバンド以外の経験を積んで、HTTそのものを残した方がいいという結論。 バンド活動はスタジオ入りとライブイベントへの参加を軸に動いていくこと。 軽音部は終わっても、放課後ティータイムは終わらないということ。 梓「そうだったんですか……」 先輩方がそこまでバンド活動のことを考えているとは思わなかったです。 ちょっとびっくりして、胸の奥に温かいものがこみ上げてきました。 梓の席はちゃんと残しておくから、よかったら来てほしいんだ。 つり目気味の、それでいて優しい瞳をこちらに向けて澪先輩が言いました。 梓「……置いてかないで、くださいよ?」 思わず、泣きそうな声で言ってしまいます。 海岸線、白いガードレール、雲間の光、揺れる黒髪――それらはなんだか一枚の絵葉書のようでした。 ふいに見えた澪先輩の姿は私が入学した新勧の時に壇上で歌っていたあの画とシンクロします。 唯先輩も澪先輩も輝いていてどうしようもなく惹かれたんだっけ。 だから今この瞬間、絵になるほど現実味が失われて、どこか遠くへ行ってしまいそうで不安だったのです。 私は思わず、先輩の方へと手を伸ばそうとしました。 澪「ああ。来てくれるなら、みんな待ってるよ」 ガードレールをぴょんと飛び降りた澪先輩はそんな私の手をそっと握り、帰路へと手を引いてくれました。 しばらく歩いて別荘に戻ると、律先輩が迎えに来てくれました。 律「おーおかえり。……今からムギが事件の真相を暴いてくれるらしいぞ、期待しとけ」 梓「まだそのネタ続いてたんですか…」 29
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